蔵 ・ Glossary
用語グロッサリー
紙片を読むための言葉。回をまたいで出てくる言葉を、そのつど確かめられるように。確かめられないことは、書きません。
- 応召(おうしょう) 一枚の紙で、農家の息子が兵隊になる。
- 学徒出陣(がくとしゅつじん) 大学の机から、そのまま戦場へ。
- 遺品返還(いひんへんかん) 手帳が、六十年かけて家へ帰る。
- 勤番(きんばん) 江戸詰めの単身赴任。だから、めしの話ばかりになる。
- 鹵獲文書(ろかくぶんしょ) 敵の翻訳でしか、残らなかった言葉。
- 木簡(もっかん) 紙が貴重だった時代の、書いて削って捨てる紙。
- 飛び石作戦(とびいしさくせん) 攻めずに、素通りする。島は、置き去りにされた。
- カムイユカㇻ(神謡) 神が、自分のことを自分で語る。
- 俘虜郵便(ふりょゆうびん) 検閲つきの葉書。書ける日本語と、書けない日本語の境目。
- 天文方(てんもんかた) 幕府の、空と暦の役所。改暦をやれる人が中にいなかったとき、外から人を呼んだ。
- 豫科練(よかれん) 海軍の飛行豫科練習生。甲種・乙種・丙種の三つに分かれ、修業期間は一年六月・二年六月・六月と勅令が定めていた。丙種だけは、すでに海軍にいる兵の中から選ばれる。
- 軍旗奉焼(ぐんきほうしょう) 旗を焼いた、と記録に書かれている例がある。硫黄島では三月十四日、洞窟の中で。拉孟では九月七日の午後六時に。どちらも、そのあとの記録がない。
- 爾後消息不明(じごしょうそくふめい) そのあと、どうなったか分からない。公式の記録が、そう書いて終わっている。
- 戸籍の訂正(こせきのていせい) 戸籍を直すには、役所ではなく裁判所の許可が要った。
- 防諜(ぼうちょう) 秘密を守る側が、まず自分の学生に聞き取る。